インタビュー

「つながる力」から「つきぬける力」へ、原点に立ち戻って再構築したミッション。|Top Message #01

MISSION

生き続ける学びが創発する場となり、

商都大阪から、社会に貢献する“人財”を輩出する


100周年ビジョン「DAIKEI 2032」のもとになっているのは、職員6名、教員6名の若手ワーキンググループで考えた100周年に向けたグランドデザインです。2032年に実際に仕事をしている人が考えるべきだというのが、当時の学長や理事長の考えでした。

最初は大学の強み弱みの分析や自分たちがどういう大学にしたいのかを出し合っていましたが、そのうちに、遠い先のことを考えるのに、現在や少し先の問題点だけを議論していていいのかという疑問が湧いてきました。原点に立ち戻って、大学の理念を踏まえた芯の通ったものにする必要があると考えるようになったのです。

大阪経済大学は、有識者が集まって大阪の経済発展に資する人を育てようと私財を投じて創設されました。まさに、「民」による「民」のための大学だったわけです。「自由と融和」という建学の精神は、権力や権威、時流に流されず自律してお互いの立場や考えを理解することをあらわし、「人間的実学」という教学理念は、実社会で具体的に役立つ知識や能力の修得と、良識ある市民としての人間形成の両面の追求をめざしています。さらに「道理貫天地、研学修道」という初代学長・黒正巌博士の黒正イズムも紐解きました。こうした本学が求め続けてきた理想の人間像や大学のあるべき姿をもう少し掘り下げて、みんなが「こういうふうにやっていかないといけないよね」と納得できるように、わかりやすく伝え直そうという話になりました。グランドデザインを考えるために、まずはその基盤となる大学のミッションを、本学のそもそものところに立ち戻って考えることにしたのです。

ミッションを検討するには問題点の把握も重要です。社会が大学に求めるもの、大学としてどういう学生を養成したいか、学生が必要としているスキルなどについて、途中からはコンサルティング会社にも協力してもらいながら掘り下げていきました。その中で出てきたのが、「つながる力」から「つらぬく力」そして「つきぬける力」へのシフトです。「つながる」から一歩先に進んで、初心貫徹、あきらめずに最後までやっていく力をつけよう、つながるだけでなく突き抜けていこうとする上位の学生をひっぱっていこうということでした。

では、どうしたらそのような学生が育つのかを考えていく中で、メンバーの先生の一人が「創発」という言葉を教えてくれました。こちらの意向で誘導するのではなく、自発的に何かが生み出され、しかもそこにはこれまでなかったようなものも含まれる。そのような現象を創発というのだと聞いて、それこそ大学にふさわしいと思いました。「つらぬく力」「つきぬける力」を持った学生を育てるには、いろいろな価値観の中に飛び込んで、他人の意見も受け入れながら相互に刺激し合い、何かが生まれるような環境が大切です。それも、授業中だけでなく、サークル活動や休み時間など、あちこちで創発が起こるような場に、大阪経済大学をしていこうと考えました。

こうして、喧々諤々な議論から、大阪経済大学のミッションができました。2行に分かれているのは2つの想いが合体しているからです。前半はどんな教育をするのかをあらわし、後半は大阪の民の経済を活性化させるために頑張る、という大学開学以来の理念を表現しています。大阪市内にある経済大学としての特色を「商都大阪」という言葉に込めました。