インタビュー

「話す」ことの重要性を再認識。もっと自由にフランクに話す場をつくろう。|Top Message #06

「Talk with」の取り組みがスタートしてから1年3カ月が経ちました。ミッションとビジョンの中身をわかりやすく伝え、教職員の人たちの意識を高めてもらう目的で始めたプロジェクトでしたが、その中で再認識したのは、まさに「Talk with=互いに話し合う」ことの重要性です。その典型が座談会「DAIKEI TALK」でした。「言葉を受けて・投げて」を目の前で行う対話のスタイルだったからこそ、私自身もより考えを明確に伝えることができ、みなさんの考えを深く知ることができたと感じています。

座談会でうれしかったことは、ビジョンやミッションについてみなさんが予想以上に関心を持ってくれていたこと、そして、大学の未来を考える視点を持ってくれていたことです。「こんな課題がある」「じゃあ、こうしてみたら」といった前向きなやり取りに、「これって創発だな」と感じることもたくさんありました。「議論をこの場だけで終わらせないで実現させよう」という意見も出て、心強く感じました。また、教員の方たちからは学生の主体性を育もうとしている様子をうかがい、教育ビジョンとして示す前から自ら学びをデザインする人を育てるという方向性を共有できていたことがわかって、大いに励まされました。

「Talk with」の取り組みと関係があるのかわかりません(あってほしいです)が、最近、学内の空気が少しずつ変わってきたのかなと感じています。2021年度の教学方針説明会の後、しばらくして「こういうことをやってはどうか」と提案を寄せてくれた先生がいました。さらに、別の先生からは、「教学方針と自分のやりたいことが近いので、一緒にやろう」という誘いがありました。どちらの働きかけも素直にうれしく、考えが伝わっているという喜びを感じました。また、職員さんからは、夏休み中の学生向けプログラムをたくさん用意して、アルバイトに明け暮れるだけの夏休みにしない仕組みをつくろうという提案があり、動きはじめてくれています。こちらの記事 で話題になった、教職員さんが自由に聴講できるオンライン授業も計画中です。

一方で、座談会を通して組織の課題も浮き彫りになりました。その代表格が教職協働に関することです。立場や職務の違うもの同士が交わり、「創発」につながる取り組みですが、思うように進んでいません。教員と職員が一緒に協力しながら事業に取り組もうという雰囲気は生まれていますが、依然として壁があるように感じます。この壁を崩すためにまず重要なのは、「相手の仕事を自分ごとにする」という意識だと私は思っています。単に一緒に仕事をするというだけでなく、自分がその仕事を担当するとしたら何が大変なのか、自分ならどうするかといったことを真剣に考えることで同じ場所に立つことができ、フラットな関係に近づくのではないでしょうか。そして、自分の領域を侵されたと考えるのではなく、外部の視点から貴重なアドバイスをもらっているという寛容な心を持たなければと、一人一人が日々意識しながら対話を重ねていくことが必要だと考えます。

座談会ではどの回も、大げさでなく「熱い」議論が交わされました。ただ、サイトに掲載する記事だけでその雰囲気を伝えるのは限界があるのも事実です。この熱を、もっと多くの人に感じてもらいたいです。今後は、テーマと時間と場所だけ決めて自由に参加できる座談会(対面でもオンラインでも)を開催して、大勢の方と熱量を共有することも計画しています。話をしたくなければ、聞いてくれるだけでも大歓迎です。その際は、ぜひご参加ください。また、まったく逆の発想で、覆面座談会をやるのもいいかもしれません。私抜きでやればもっとみなさんの本音が聞けそうで怖いですが、そのような企画もぜひやってほしいです。そんないろんな「Talk with」の機会が生まれることが「創発する場」の実現に近づくことだと思います。これからもみなさんが話したいこと、やりたいことを持ち寄れる場が広がっていくために、様々な企画を実施していきます。みなさんからも、創発につながる企画がどんどん持ち込まれることを、わくわくしながら待っています。