「DAIKEI 2032」が実現した未来について語り合う、未来ビション具体化ワークショップを開催。
開催日:2022年11月18日
参加者:14名
大阪経済大学では、昨年、「Talk with All」と題したワークショップを3回にわたって開催。100周年ビジョン「DAIKEI 2032」を紐解きながら、教職員がたどってきた道のりと、大経大“らしさ”について、対話を深めてきました。この“らしさ”を踏まえて、「DAIKEI 2032」の実現をより具体的に考えるために、「未来ビジョン具体化ワークショップ」を開催しました。
▼ワークショップ「Talk with All」はこちら
エンゲージメントカードを使い「無形資産」とミッションの実践を考えるワークショップを開催。|Talk with ALL #01
本学が培ってきた文化、ビジョン実現に向けてできることを対話するワークショップを開催。|Talk with ALL #02
教職員の垣根を超え、互いの価値観やミッションの実践方法を語り合うワークショップを開催。|Talk with ALL #03
今回のワークショップには、山本俊一郎学長をはじめ、「DAIKEI 2032」の策定に携わったワーキンググループのメンバー11名と、新たに3名の教職員を加えた14名が参加。2032年に「DAIKEI 2032」を実現した大阪経済大学では、学生たちがどのような4年間を過ごし、教職員は学生とどのように関わっているのか。この共通した具体的なイメージを育むために、参加者は、A、B、Cの3つのグループに分かれて、3つのテーマについて考えました。また、各ワークから出てきたアイデアや考えをイラスト化し、最終的に1枚のイラストにまとめました。
3つのテーマ
[ テーマ1 ]自ら学びをデザインするとは?
学生たちが過ごす4年間を考えるうえで、「DAIKEI 2032」の教育ビジョンで掲げる「自ら学びをデザインする」とはどういうことなのかについて対話をしました。「履修科目を選択する」「時間割を作成する」「面白そうだと思うことに取り組む」など、出てきたアイデアは付箋に書き、模造紙に貼り付けていきます。その後、各グループは付箋を整理し、自ら学びをデザインするとはどういうことなのか仮定しました。
[ テーマ2 ]学生はどうやって自ら学びをデザインできるようになっていくのか?
次に、学生はどのようにして自ら学びをデザインすることができるようになるのかについて考えました。1年から4年まで、時系列で捉えて対話を重ねていきます。テーマ2では、各メンバーが付箋に考えを書く作業より、自分たちが見聞きした具体的な事例について語り、その要因について考察しているシーンがよく見られました。例えば、「アルバイトを通じて社会貢献したいと実感。それに関連する分野を学びはじめた」「授業や部活での成功体験、逆に失敗体験から自分の進むべき方向を見つけた」など。学びをデザインしている学生の姿、できるようになったきっかけ、プロセスが各グループで具体化していきました。
[ テーマ3 ]学生の成長プロセスに自分たちはどう寄り添っていきたい?
テーマ3は、教職員がどのように働きかければ、学生は自ら学びをデザインできるようになるのか、またどうすればそのスピードが加速されるのかについて話し合いました。「そっと手を添え、じっと待つ」といった学生の主体性を尊重する考えや、「本気で叱る、ほめる」といった能動的に関わるアプローチなど、グループごとにさまざまな意見が出て、会場は白熱しました。
各グループの発表内容
3つのテーマについてワークを行った後、各グループで議論された内容が参加者全員に共有されました。その発表内容を抜粋してご紹介します。
グループA
私たちは、抽象的目標を具体的目標に移行することが、学生自ら学びをデザインすることにつながると考えました。目標があれば、自分に必要な知識、スキルがわかってきます。そうすると、学びをデザインできると思うのです。可能であれば早い段階から目標を具体化し、達成のために多くの成功と挫折を味わってほしいです。成功はモチベーションを高め、挫折は自分の現状や課題の理解につながるからです。先輩や同級生から成功・挫折体験を聞く、自ら語ることも有効であり、私たちはそういった場の提供が必要だと思いました。
<メンバー>
山本 俊一郎(学長)
森岡 陽介(教員 人間科学部)
大塚 好晴(職員 研究所・社会連携課)
荒川 崇(職員 教育企画課)
和田 仁美(職員 インターンシップ課)
グループB
入学間もない学生や、目標が定まっていない学生にとって、「自ら学びをデザインする」ことはハードルが高いと思われます。そこで、まずは学びのデザインとは何かや、なぜデザインするのかを、しっかり教え、考えさせることが必要です。次のステップとして、1〜2年次ぐらいに面白い人や授業との出会いによって刺激を受け、興味のある分野と自分自身について自ら探求していくことがポイントになると思います。さらに3〜4年次では実社会に出て、成功・失敗体験を繰り返し、自分を相対化していくことで成長を図れるでしょう。教職員は学生に活躍する場を提供することも必要で、大学全体を巻き込んでいくために「祭」というキーワードに辿り着きました。
<メンバー>
上宮 智之(教員 経済学部)
林 怡蓉(教員 情報社会学部)
黒正 洋史(職員 教育・研究支援・社会連携部)
上村 卓也(職員 教務一課)
下浦 智也(職員 学生課)
グループC
学生が自ら学びをデザインするうえでは、自分自身を高次から見つめ、何が必要なのか客観的に考える「メタ認知」が重要だと考えました。また、自ら学びをデザインできるようになるプロセスとして設定したのは「守破離」です。1年次は学びの基礎を徹底的に指導する「守」、2年次あたりで自ら学び、立ち上がる「破」、3〜4年次で飛び立つ「離」のイメージです。また、「守破離」の短いサイクルでの実践も学生の成長につながると思います。教職員の寄り添い方としては、1年次ではしっかりとした足場づくりをサポートし、学年が上がり、経験を積むにつれ、足場を少しずつ外して、学生の自走を促すことが必要との考えに至りました。
<メンバー>
稲岡 大志(教員 経営学部)
野村 国彦(教員 情報社会学部)
高濱 悠紀(職員 広報課)
小林 諒太朗(職員 人事課)
まとめ
対話が進むにつれ、未来ビジョンのイメージやヒントという枠を越えて、2032年の学生の姿や、教職員が為すべきことが、より具体的かつ鮮明になったように感じました。一方、自ら学びをデザインすることが困難な学生、成長プロセスに乗り切れなかった学生へのフォローの検討も、もっと必要ではないかという意見もありました。今回のワークショップの結果を踏まえ、「DAIKEI 2032」を推進するためには何をどのように取り組んでいくべきか、今後はさらに深く考えていきます。
共感した