インタビュー

新第二次中期計画が始動。本学の価値を高める創発の場となるために。|Top Message #09

100周年ビジョン「DAIKEI 2032」に基づいて策定された新第一次中期計画(第一次中計)が2023年度で終了し、2024年度から5カ年にわたる新第二次中期計画(第二次中計)が始まりました。今回は、第一次中計のふり返りと第二次中計への想いをお伝えします。

第一次中計では、100周年を見据え、おもに①定員増による経営基盤の安定化、②大学認証評価の受審と認可に向けた学生本位の質の高い教育を実現する教学マネジメント体制の構築、③創発する学びを具現化するための新学部(国際共創学部)の設置を掲げました。これらの計画を含め多くの施策が実現し、「DAIKEI 2032」のキーワードである創発のための土台づくりが着々と進んできたことは、この5年間の大きな成果として評価できると考えています。教職員の皆さまには、コロナ禍におけるさまざまな突発的課題への対応に追われながらも計画達成に向けてご尽力いただきました。この場をお借りして感謝申し上げます。

ここ最近の身近な変化としては、キャンパスでの学生の過ごし方が挙げられます。コロナ禍で3年ほど停滞していた学生の動きがようやく活発化したこともあるかもしれませんが、第一次中計前に比べて、集まっておしゃべりをする学生たちの姿が格段に増えたように思います。「創発の泉」と名づけられた図書館のラーニング・コモンズをはじめ、クリエイティブな思考が生じやすい環境があちこちに整備され、学生同士が触発されているのだと感じます。ワイワイと盛り上がったり、熱心に何か話し合ったりしている姿が見える化されることで、今後さらに全学に波及していくことを期待しています。さらに、これは中計にはうたっていませんが、クラブの躍進が目覚ましく、全国レベルの活躍が目立ってきたのもすばらしい変化です。

教育面では、第一次中計で目標に掲げたPBLや学外との交流が活性化していることについて手ごたえを感じています。「ZEMI-1グランプリ」など学内でのコンテストだけでなく、学外のコンテストで優秀な成績を収めるゼミが増え、創発につながる幅広い交流が徐々に進んでいることを実感しています。

このような成果を踏まえ、以下では、これから始まる第二次中計において私が特に力を入れたいと思っていることをいくつかお伝えします。一つは研究ビジョン達成に向けた取り組みの強化です。研究成果を通じた社会への貢献は、大学がやるべき最も重要な役割であることは言うまでもありません。現在では、理系分野だけでなく、本学がメインとする社会科学、人文科学の分野でも、研究成果を社会実装していく動きが活発化しています。本学でも特色ある研究の柱を持ち、社会に対してその価値を発信していく必要があります。そのため大学や企業との大学間連携、産学連携を今以上に積極的に取り組み、そこで得た研究成果の発信を強化していきたいと考えています。

これに関連して、2024年度より今まで各部署にあった外部との連携窓口を一本化するため、新たに社会連携センターを設立しました。ワンストップサービスにすることで、より外部とつながりやすい環境を構築するのと同時に、全学として戦略的に社会連携に取り組むことを目的にしています。将来は、地域の人が気軽に同センターを訪れ、学生、教職員と一緒に地域コミュニティが抱える課題に取り組めるような、そんな拠点が形成できればと思いを膨らませています。

もう一つの課題は、大学院における研究と教育を結びつける機能の強化です。研究機能を強化し、最新の研究成果を発信することで、高度職業人の養成機能だけでなく、多様なバックグラウンドをもつ社会人への幅広い学びへの意欲に応えるような大学院の新たな魅力づくりにつなげていきたいと思っています。例えば、士業資格講座、ビジネスリーダーセミナー、管理職向け組織マネジメント研修、ファンドマネジメント講座、哲学・倫理講座のようなセミナー・講演会に加えて、共同研究、研究発表、産官学連携事業を強化し、研究面での成果を学外に打ち出す。これは全学的なリカレント教育の推進にかかわる重要なテーマになるでしょう。

国際共創学部の開設や定員増で、この間、新たなメンバーがたくさん増えました。コロナ禍も収束した今、原点に戻って改めて教職員同士が交流できる仕組みを再構築していくことも必要です。みんなでアイデアを出し合い、いろいろな仕掛けで交流の場を創出しましょう。学生からアイデアを募集するのもおもしろいかもしれません。100周年という節目は、新しいことにチャレンジする絶好のチャンスです。これからの5年間、いたるところで創発しているように、さらなる交流の輪を広げていきましょう。

理解・納得した